内部統制監査を終えて

この日、E社の有価証券報告書を提出。


通常、決算業務のヤマ場は決算発表や株主総会の準備であって、
有価証券報告書の作成・提出はそんなに感慨深いイベントではありません。


しかし、今年ばかりは格別な思いでした。


というのも、今年、E社は内部統制監査(いわゆるJ-SOX法対応)の適用初年度だったのですが、
「E社の内部統制は有効である」という評価を無事に表明することができたからです。


正直、上場会社のほとんどが内部統制は有効と表明しているので、
こんなの当たり前と言えば当たり前なのですが、ここまでの道のりは長かった・・・。


昔、板倉雄一郎事務所のパートナーエッセイで「くたばれ!コンプライアンス」なんて
エッセイを書いた頃から、この内部統制監査というシロモノに懐疑的でした。


内部統制の整備作業が具体的に進めば進むほど、さらにこの制度に対する疑問が
膨らんでいきましたが、


「制度に対する文句を言うためには、まず結果を出さなくては・・・」


という思いから、粛々とたくさんの仕組みと書類を作ってきました。
そして、このような結果が出た今、胸を張って次のように言いたい。


「やっぱり、この制度見直した方がいいよ」


別に内部統制監査制度自体を全てやめた方がいいと言いたいわけじゃなくて、
なるべくリスクを取らないために記録(書類)を残すことに必死になったり、
新興市場の企業やこれからIPOを目指すような企業にこの制度を当てはめることは、
デメリットの方が大きいんじゃないの?って話です。


まぁ、こんなこと今さら自分が声高に主張しなくても、上場企業の多くの関係者は
痛切に感じています。その結果は、既に上場廃止する企業の増加や上場する企業の減少に
表れていますしね。


最近、日本で議論されている多くの制度に「なんだかなぁ〜」って思うけど、制度は制度。
嘆いていても始まらなくて、企業や個人はそれを前提にアクションを起こすしかない。