期待ギャップ
昔、会計士になるための勉強をしている頃、「期待ギャップ」という概念を知りました。
期待ギャップとは、
社会の監査に対する期待と、監査人が実際に行う監査の内容にギャップがあること
(詳細の説明はこちらをご参照)
期待ギャップを解消するためには、
「社会に過剰な期待をさせないための啓蒙活動が必要」
ということが大事になります。
最初この概念を知った時、なんか言い訳がましいし、
守りに入ってるな、と思ってあまり好きになれませんでした。
「どんどん期待に応えていけるように努力すればいいのに」
とさえ思いました。
でも、社会人として経験を積めば積むほど、
これって大事だな・・・としみじみ感じます。
自分の仕事でいえば、IRだとか人事という仕事は、
計画段階で投資家や従業員に対してどの程度期待して
もらうかは非常に重要。
実行の成果が投資家や従業員を満足させるかどうかは、
最初にどの程度期待させるか?によって変わってくる。
本来は最初の期待値の高低に関わらず、成果の内容は同一なので
満足度は一緒になるはずなんだけど、人間は合理的じゃないから
最初の期待値によって満足度が異なってしまう。
つまり、
最初の期待値が70 → 成果80 → 満足度高い
最初の期待値が100→ 成果80 → 満足度低い
最初に計画を語る段階では、ついつい利害関係者に「すごい」と
言ってもらいたくて大きく膨らませて話がちだけど、これだと
満足は得られない。
ただ、一方で、最初の期待値を実態より低く誘導し過ぎると、
その計画を評価してもらえず話が前に進まない結果になります。
結局はいかに実態に近い期待をさせるかが大事。
そのためには、どの程度の成果を出せるのかを冷静に見極めることが重要。
それが言うほど簡単じゃないから苦労するんだけど・・・。
あと、最近思うのは、これって自分自身にも当てはまるということ。
自分のパフォーマンスを客観的に把握するのって意外と難しい。
自分への期待が高過ぎて、その結果に落ち込むこともあるし、
自分への期待が低過ぎて、前に一歩踏み出せないこともある。
今は結果が出しにくいご時世だけど、自分の能力や頑張りと
仕事の結果は常に相関しているわけではない。
うまくいく時はうまくいくし、うまくいかない時はうまくいかない。
結果に一喜一憂せずに、今できることを精一杯やるしかない。
なんだか、自分に言い聞かせながら書いてるな、オレ・・・。