悼む人


Iさんオススメの「悼む人」を読了。


最近、自分が漠然と探しているものに近い気がして
夢中になって読んだ。


正直言って、どうやって感想を述べてよいものか難しい。
自分への様々な問いかけが湧き上がってくるのを
うまくまとめられない。


理屈立てて説明するものでもないので、思いつくままに
感じたことを記すことにします。


・正直、「死」についてはリアリティがない。


主人公の静人のように他者の死で人生を変えるほど
激しいショックを覚えたことはない。
また、自分の死について激しい恐怖を覚えたこともないし、
自分の死後もみんなに忘れないでもらいたいという
気持ちもあまりない(ゼロではないけど・・・)。


「どうせいつかは死ぬのが定め」といった冷めた感覚がある。


と、それで片付けて良いものかどうか疑問が残る。


もっと考えるべきではないのか?
自分が恵まれた環境にいるだけではないか?
自分が単に薄情なだけではないのか?


・「愛」のある行為とは何だろう?


自分も周りの人達に感謝されたいという思いは強いけど、
どういう言動が「愛」のある行為なのか、悩むことが多い。


何があってもひたすら赦すのも愛だろうし、
本当に相手のことを思って厳しく接するのも愛だと思う。
様々な局面に出くわすたびに、常に考えさせられる。


しかし、一方で、この本のセリフにもあるように、
「愛なんて、人やモノへの執着に過ぎない」と感じる時もある。


他人のためのように見せて、自分のエゴに過ぎない行為って、
自分も含めて世の中にいっぱいあるよな・・・。




という感じで、すっきりとした結論もなく、自分への問いかけ
だけが増えた読書になりました。


でも、今の自分はそれを求めているというか、
それでOKだと思っています。


今作を紹介してくれたIさんに感謝です。